「TRICKSTER」とは神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を展開する存在である。
往々にしていたずら好きとして描かれ、善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、異なる二面性を持つのが特徴であり、文化英雄であると同時に、一面的な定型には収まらない存在である。
若い原酒であるが、完成されている。ハウススタイルとは異なるがクオリティが高い。など、二面性と驚きのある原酒にスポットライトを当てた、まさにボトラーズブランドとしての醍醐味を味わってもらうべく生まれた新たなシリーズである。
第10弾は、1775年に設立、1823年の酒税法改正により正式なライセンスを取得し、現存稼働する最古の蒸溜所であるグレンタレット蒸溜所の原酒。
ウィスキーキャットのタウザーの話も有名だ。スコットランド本土で採れたピートで麦芽を乾燥させたフェノール値80ppmとなるヘヴィリーピーテッドタイプの1樽は、2009年以降の蒸溜年からボトラーズで散見されるようになった。
ラベルには、ギリシア神話で炎と鍛冶の神とされるヘーパイストス(英語読みでヴァルカン)と妻のアフロディーテが描かれている絵画を採用。スモーキーな香味に始まり、薬品やコケ系のピートフレイバーと広がりを見せる。歴史ある蒸溜所の異端児的側面を楽しんでいただきたい。
テイスティングノート
【香り】新品の牛革製品、泥炭の煙、樺の木、芝土、救急箱、ヨードや海藻。力強いピート由来の香り。
【味わい】アカシアの蜂蜜、タバコ、甘い灰、松脂、正山小種紅茶、レモンやライム等の酸味の強い果実と苺ヨーグルト。炒めたピーマン、ヘザーの花。ややオイリーなボディ。
【フィニッシュ】土のついた根菜類やタール。焚き火や燃えさしのスモークとジンジャーのスパイスが温かく長く続く。
【コメント】スモーク系のピートフレイバーのインパクトだけに限らず、そのピートの香味は、薬品系、コケ系と広がりがある。僅かに残るグレンタレットらしさが愛らしい。
- 生産国:スコットランド
- 地域:ハイランド
- 度数:59.9度
- 容量:700ml
- カスクタイプ:ホグスヘッド
- 熟成年数:10年
- ヴィンテージ:2012年
- 日本入荷本数:281本