ティーリングウイスキー社はアイルランドのダブリンに本拠を構えるインディペンデントボトラー(独立瓶詰業者)です。アイリッシュウイスキー業界にアイルランドの“独立”の気運を再び取り戻そうと、当時のクーリー社の社長であったジャック・ティーリング氏が、ハンドクラフト&スモールバッチのアイリッシュウイスキーを作るべく、クーリーを離れて2012年に設立しました。アイルランドの蒸留所と樽の供給に関する契約を結び、使用する樽を長期にわたり確保することに成功。
しかし、その後の展開を考え蒸留所の建設にも着手し、ようやく2015年9月に正式にオープンしました。ティーリング家はダブリンでウイスキーの生産が盛んだった1700年代に既にウイスキーの蒸留所を所有していましたが、ダブリン市内の蒸留所がすべて閉鎖されてから約125年ぶりに稼動を始めたのがこの新しいティーリング蒸留所です。
そんな久々にダブリン市内にオープンした同蒸留所を皮切りにアイルランドでは現在多くの新蒸留所が稼働したり建設中となるなど、まさに黄金時代を再び迎えています。そんな輝かしいアイリッシュウイスキーの新時代の幕開けを記念して発売されたのがこの限定シリーズ「ルネッサンス」なのです。
これまでも様々なコンセプトのもとに限定シリーズをリリースしてきたティーリングですが、今回の「ワンダーズオブウッド」シリーズは、熟成(フィニッシュ)に使用する樽の木の種類にこだわり、アイリッシュウイスキーのフレイバーに新たなテイストを加えるという、ある意味実験的な限定シリーズです。
このシリーズの記念すべき第一弾となるのは、北米原産のヴァージンチンカピンオーク樽で熟成した、ティーリング蒸留所で蒸留したシングルポットスティルです。
テイスティングしましたが、色はディープな赤褐色、香りはプラムリキュール、甘い梅酒、オーク材、奥にピーチ、ボディはフルーティー&リッチ、プラムやライチ、ローズティー、ジンジャーと茶葉のスパイス、フィニッシュはシナモン&ジンジャーでリッチに長く続きます。
アイリッシュウイスキーのソフトでフルーティーな甘いボディは健在で、そこにアクセントとしてチンカピンのオーク材によってリッチで心地よいスパイシーなテイストも重なり、よりアダルトに仕上がっています。予想を超える美味なフィニッシュに驚きました。(インポーター資料より)
テイスティングノート
香りは甘いトフィーとバタースコッチ、キャラメルビスケットに木のタンニン、味はバナナブレッドとジンジャーが口中で踊り、スムースなクリームソーダが包み込む。フィニッシュは木のスパイスが続く中にダークチョコレートとかすかなブラックペッパー。
- 生産国:アイルランド
- 度数:50度
- 容量:700ml
- カスクタイプ:ヴァージンチンカピンオーク