南米ペルーの首都リマから南へ300kmの位置にあるピスコの名産地・イカは砂漠の海岸沿いにある町で、気候は一年を通して温暖で乾燥しています。またピスコの蒸留所巡りや有名な砂丘のオアシス「ワカチナ」など、観光地としても知られています。
そのイカで高品質なピスコの生産を行っているのが「トレス・ヘネラシオネス」(Tres Generaciones、スペイン語で三世代という意味)です。 1856年から同地でピスコ生産行っていたボデガ・トレス・エスキーナスに嫁いできたファニータ・マルティネス氏は、ピスコ生産に関わる女性が全くいない時代に、ピスコ生産に興味を持ち、義父に頼んで葡萄栽培から醸造までを教わりました。
その後、彼女は発酵過程で葡萄の自然な甘味をコントロールすることに重きを置き、各葡萄品種の持つアロマとアルコール度数のバランスのとれた、より洗練されたピスコの生産を始め、2003年に 自分の家族(夫、子供、孫)に敬意を表し、スペイン語で三世代という意味の「トレス・ヘネラシオネス」というブランド名に改称しました。
トレス・ヘネラシオネスは進化を続けながらも伝統も守り、古い旧式タイプの蒸留器(ファルカ)を大切に使っています。また別のタイプの一般的な蒸留器アランビケも使用していて、ファルカとアランビケの2つの蒸留器を使い分ける数少ないピスコ生産者です。
また近代的な醸造所を構え、葡萄畑から醸造所、消費者の手元に届くまで、完全なトレーサビリティシステムを備えています。
また高品質なピスコとして海外でも高い評価を獲得しています。 イカでのピスコ生産に大きく貢献したファニータ氏を、人々は敬意を持って「ピスコ婦人」と呼びます。 現在もトレス・ヘネラシオネスの経営者として家族と共にピスコ生産に情熱を捧げる生活を送っています。