2000年代以降本格的なウイスキー造りが始まり、瞬く間に世界的な品評会で絶大なる評価を得ることとなったウイスキーを生み出した新興生産地、台湾。『オマー』は、その台湾最大の酒類公営企業であるTTL(Taiwan Tobacco & Liquor Corporation)が設立し、2008年に蒸留を開始した「 南投(ナントウ)蒸溜所」が造る台湾産シングルモルトウイスキーです。2014年以降、ワールドウイスキーアワードなど世界が注目する品評会で高い評価を毎年獲得し続けています。
『オマー』が世界が認めるウイスキーになった理由
・ウイスキー好きな台湾人の情熱
人口2千万人超の島という限られたエリアながら、現在なんとスコッチウイスキーの輸入量は金額ベースで世界第4位、一人当たりの消費量は世界トップクラスを誇る台湾。それだけプレミアムなウイスキーを長らく愛し、舌の肥えた台湾の人々を満足させるためには、世界基準のウイスキー造りが必須です。大手飲料メーカーが立ち上げた台湾初のウイスキーとして知られるカバラン蒸溜所や、台湾最大の酒類公営企業が設立した南投蒸溜所も、ウイスキーの聖地スコットランドから最高の設備と原料、そして技術を輸入し、本場に負けない原酒造りを行っています。
・芳醇な味わいを造りだす台湾特有の気候
南投蒸溜所がある南投市は、標高3,000mを超える台湾で最も高い山々の麓にある台湾中部の内陸都市。平均気温が夏で30度以上、冬でも15度以上ある高温多湿な気候のため他のウイスキー生産国と比べると熟成が速く、“天使の分け前”は毎年6~7%とスコットランドの3倍、日本の1.5倍と言われています。この独特な環境により、4年程度という短い熟成期間でも10年以上熟成させたかのような芳醇な味わいと、より樽の風味が引き出されるためパイナップルやマンゴーのような南国フルーツの香り漂う濃密な甘味を生み出します。
・南国フルーツの味わいを最大化する独自の樽熟成
南投蒸溜所は、バーボン樽熟成の「バーボンタイプ」とシェリー樽熟成の「シェリータイプ」の2種を『オマー』の定番商品としてリリースしていますが、かつて地元のトロピカルフルーツを使ったフルーツワインやリキュールの生産で有名だったため、それらの樽で後熟したウイスキーも少量生産しています。 この南投蒸溜所だからこそ実現することのできた実験的なウイスキー造りは、他蒸溜所にはない唯一無二の個性を生み出し、ウイスキー界の新星として一躍その名を世界に轟かせました。